モロッコ到着 緊張の夜

モロッコ

Hola! メキシコ就労・スペイン院留学を経て、現在モロッコで生活中の流です。
今日はバルセロナを出発して、モロッコに到着した夜についてお話します。

バルセロナ出発→モロッコ到着

夕方にルームメイトのSusanとバイバイをして、バルセロナ空港に到着。

チェックインをするために航空会社の人と会話をしていたら、
「凄い、君スペイン語話せるんだ! こっちで生まれた育ったの?」と言われて、とても嬉しい気持ちになる。

搭乗口にはヒジャブを被った女性がいて、

「今から私、イスラム圏の国に行くんだなぁ」と実感した。

充実していたスペイン生活に思いをはせながら、遂にモロッコへ出発だ!

バルセロナを23時半に出発して、モロッコのフェズ空港には深夜12時半に到着。
おしゃれな外観の空港だ。

入国審査で「モロッコで何をするの?―フランス語を勉強しにきたよ」「どこの語学学校に行くの?」という簡単な質問を英語でされて、無事入国完了。

スーツケースをピックアップ後、携帯を使う為に現地のSIMカードを購入して、今度は宿へ向かう。

宿泊先からは「タクシー配車サービスは20€(約3500円)で出来るよ」と提案を受けたが、
インターネットの情報で相場は11€とおよそ半分の値段が書かれていたので、自分でタクシーを手配して向かうことにした。

空港の出口を出て、タクシーのおじちゃんが「Taxi?」と聞いてくる。海外の空港到着でよくある場面だ。
旧市街までの値段を聞くと150DH(15€=2300円)だという。 ※DH(ディルハム)=モロッコの通貨

Uberのようなモロッコの現地のライドシェアアプリ「InDrive」を使うと、80DH(約8€=1200円)と半額で配車が出来るので、アプリで配車を手配した。

まさかのケンカ勃発

約20分後に配車アプリのドライバーが到着して、車に乗り込む。
助手席にはヒジャブを被った女性も乗っていた。

さぁ出発だ!

と車を出そうとした時、空港の出口で待ち伏せしていた現地タクシーのおじちゃん2人が
私たちの車の方にやってきた。

「$%&$&%&!!!!」
アラビア語で何を言っているのかさっぱり分からないけど、どうやら怒っている様子だ。
現地のタクシーおじちゃんと、アプリのドライバーが、凄い勢いで口論し始めた。

何が起こっているのか分からない私、めちゃくちゃ動揺。
私がおびえているのが伝わったのか、助手席に乗っていた女性が振り返り、
「Tranquillement =落ち着いて、大丈夫よ」的な事を言ってくれる。

5分位、男達の激しい口論は続いた。そして口論の末に、ドライバーが戻ってきて、やっと出発した。

何が起こったのか分からないので聞くと、女性がフランス語で説明してくれる。
が、私の現在のフランス語力では到底理解しきれないので、グーグル翻訳を使って翻訳されたメッセージを読む。


「タクシーの男たちは、警察を呼ぶと言いました。でも私たちが100DH(1500円)を彼らに払ったので問題ありません。あなたは100DHを払う必要がありません」
と書かれていた。

どうやら、現地タクシーとライドシェアアプリの間では対立が起こっているようだ。

市民がより値段が安いライドシェアアプリを使うようになる
→現地タクシーの仕事・収入が脅かされる
→現地タクシーの運転手が、ライドシェアアプリのドライバーに妨害行為をする というものだ。

海外のニュースで聞いた事はあったが、まさか自分が遭遇するとは、びっくりだ。
モロッコ到着早々、男性のガチ喧嘩を目の前にして、心臓バクバクである。

それでも、何とか出発する事が出来てよかった。

何とか出発!ドライブ中の会話

出発後も助手席に乗った女性と会話をした。
ドライバーの奥さんのようだ。名前はサナという。

「日本でもサナって女性の名前としてよく使われるよ!」と言おうとしてフランス語を話すも、上手く伝わらず。

「Google翻訳に打ち込んで」とサナに言われたので、フランス語の翻訳画面を見せると、彼女は嬉しそうに笑った。

その後も翻訳の画面を見せあいながら、2人で会話をしていたら、
「あなた今日うちに来る?泊まっていいよ」と言ってきて、びっくり!今さっき会ったばっかりなのに!

「ありがとう。でも宿をもう予約しているので、今日は行けないんです」と伝えた。

そんな会話をしながら、約30分後に宿がある旧市街に到着した。
宿はどうやら車が通行出来ないエリアにあるそうで「ここからは車が入れないので、ここで停めるわね」と
伝えられた。

(そういえば、”タクシーの運転手に100DH払った”って言ってたけど、
“あなたは払う必要ないよ”とも書いてあったから、私は払わなくていいのかな?)と考えながらも、

まずは最初の本来の料金である、80DHを渡してみた。

そしたら、「私たちは罰金を科せられないように、タクシードライバーに100DH払いました」
という翻訳メッセージを見せられた。

「あなたは払わなくていい」と言ってはくれたけど、本心では払って欲しかったのか…!
(言い回しが京都人っぽい!)

と心の中で密かに思った。

その時に持っていたモロッコのお金は残り60DHのみだったので、

「ごめんね、今モロッコのお金は60DHしかないんだ。」
と言って、当初の金額に加えて、プラスで60DHを渡した。

そうしたら、彼らも「わかった、これで大丈夫です。」と渡したお金を受け取ってくれた。
車を降りると、「あっちの方向に歩くと、宿があるからね」と指さしてくれた。

「Merci=ありがとう!」と言って、彼らとバイバイした。

オーナーを待つ時間の緊張

車も出発して、1人。

宿のオーナーから、「タクシーが着いたら教えてね」と言われていたので、「タクシーを降りました」というメッセージと共に位置情報・写真を送る。

「OK!今から歩いてそっちに向かうから、待っていてね」と言われる。

その時点で深夜の2時半になっていた。さすがに夜遅くなので緊張する。

そんな時、謎の男に話しかけられる。
「こんばんは! ホテルに行くんだよね? 僕がホテルまで連れていくよ」

(ひーっっっ 怖い、怖い、怖い)
心の中で “怖い”を連呼していた。

でも怖さを感じでも、冷静に対処するのが重要。

宿のオーナーが来てくれるとメッセージをくれたし、
この男がその宿の人かは分からないので、「今、宿の人が来ているので大丈夫です」と強く断る。

その後も話しかけられ続けるが、明かりがついている道路の向いの商店に移動する。
そうしたら丁度、宿のオーナーが来てくれてホッとした。

到着したのは、迷宮都市「フェズ」
宿までの道は複雑で、暗い夜に絶対一人では辿りつけない。

5分位歩いて宿に到着した。
宿のオーナーは「今日はもう遅いから、パスポートチェックや支払いは明日の朝でいいからね」と言ってくれた。

ホステルの8人部屋を予約していたが、案内されたのはプライベートルームだった。ありがたい。


部屋に着いたのは深夜2時45分。

モロッコ到着の夜。

フランス語での会話、
タクシードライバーと喧嘩勃発、変な男の出現、と盛り沢山で疲労困憊だ…。

メキシコで培ったスペイン語を話しながら、スペインで生活していたのがいかに楽だったのかを痛感する。

たった数時間前のバルセロナ空港で「君スペイン語が話せるんだ!こっちで生まれ育ったの?」と
言われた時の嬉しさや心地良さは、モロッコ到着の夜で完全に破壊されていた。

そう、モロッコは、言葉も文化も全く違う国。

少し不安を感じるも、それでも、「新しい環境に立ち向かっていくしかない…」と思いながら、疲れ果てて眠りについた深夜3時半。

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
「いいね!」代わりに下のアイコンをクリックして頂けると、大きな励みになります^^

コメント

タイトルとURLをコピーしました