イスラム教の「生理」カルチャーショック

モロッコ

Hola! メキシコ就労・スペイン院留学を経て、現在モロッコで生活中の流です。
前回の記事ではモロッコ到着朝の様子を紹介しました。
本来ならその日の続きを書くところですが、直近でショックな事があったのでそちらを先にお話しします。

モロッコホームステイのトイレ事情

私は現在モロッコのラバトでホームステイをしていて、
モロッコ人のホストマザーと、トルコ人と一緒に住んでいます。2人ともイスラム教を信仰しています。

私が滞在している家庭のトイレ事情ですが、トイレにはゴミ箱があいてあります。


トイレットペーパーを流すと詰まるリスクがあるため、日本のように使用済みトイレットペーパーを水に流す事はできません。

小便・大便に関わらず、用を足したときに使用したトイレットペーパーは備え付けのゴミ箱に捨てているようです。

先日生理がきたので、いつもの様に使用したトイレットペーパーをゴミ箱に捨てました。

これが、とんでもない問題を引き起こすことになります。

問題勃発

外出先から帰宅し、ホストマザーに挨拶すると凄く不機嫌そうな顔。
「どうしたの?」と声をかけると、「同居人トルコ人の状態がとても良くない」と言われます。

話を聞くと、

トイレの共通ゴミ箱に見えないように捨てたつもりの使用済みトイレットペーパーでしたが、
血が滲んで、それをトルコ人男性が目撃してしまったようです。

ホストマザー曰く、
「イスラム教では、生理が起こっている事を男性には知られてはならない」
「イスラム教では、血や生理は、“不浄”、“穢れ”と考えられている」とのこと。

なので、即座に共通のゴミ箱の中身を外に捨てに行きました。
その後ホストマザーからは、袋がついたバケツを渡されました。

「用を足すときはこのバケツを持ってトイレに行って、使用した紙はここに捨てなさい。
 そして袋の口を縛って、自分の部屋で保管しなさい」

と指示されました。
イスラム教って凄く厳格なんだな…、とびっくりしましたが、「郷に入っては郷に従え」。
イスラム教の文化を尊重し、ホストマザーの指示を勿論守ります。

しかし、翌日の朝には更なる衝撃が待っていました。

翌朝、衝撃のメッセージ

その翌日、朝9時にホストマザーから携帯にメッセージが届きます。(実際のトーク画面)

「Hello, we do not use toilet paper to clean our periods, I hope you understand me」
=「おはよう。私たちは生理を掃除するのにトイレットペーパーを使いません、ご理解いただければ幸いです。」

えっ?「生理の血をふくのに、トイレットペーパーを使わない」ってこと…?


昨日指示された「血のついたペーパーは、トイレの共通のゴミ箱に捨てず、自分の部屋で処理する事」
は理解していたのですが、「トイレットペーパーを使わない」という事は理解できなかったので、もう一度確認します。

「Throw away the paper to this bucket and hold in my room, right?」
=「このバケツに捨てて、自分の部屋で管理すればいいんですよね?」と聞きます。その後に来た返信が、

「I’m talking about toilet paper in the house, you shouldn’t use it for your periods」
=「家のトイレットペーパーについて話しています。あなたの生理期間中、使用しないでください。」

その後「じゃぁ、どうしたらいいの?」と困惑しながら聞くと、

「You should use your paper =あなたの紙を使いなさい」と返信がきました。

…ん?ん?ん?!
「トイレットペーパーすら、触っちゃいけないの?!」

仕方ないので、その時持っていた自分のティッシュで拭くことに。

なんかもう衝撃的です…。そんなにも生理が「汚い、不浄」と思われている事がショックです。

こっちだって、好きで生理になってるんじゃないんだよ…。
女性は誰だってそうだと思います。生理が来て喜ぶ女性なんて一人もいません。

生理が来れば、1日に何回もナプキンを替えなければならない。
お腹は痛くなるし、メンタルも不安定になる。生理が来るたび、毎回ブルーな気持ちになります。
人によって症状は違いますが、酷い時には痛み止めを飲まなければなりません。

そんな苦労をしている中、さらに人から「汚い・穢れ」と思われる事に対して、凄く悲しい気持ちになりました。

まさに「カルチャーショック」です。
自分自身、アメリカ1年、メキシコ2年、スペイン1年と住んできましたが、こんなに大きな衝撃を受けた事は今まで一度もありませんでした。

イスラム教「生理」に対する考え方

イスラム教圏の生理について調べてみると、
生理・血は「不浄、穢れ」と見なされており、国によって厳格さや習慣に違いはあるものの、生理期間中は
「コーランに触れない」「お祈りが出来ない」「キッチンに入れない」といった厳しい国もあるようです。

学校のモロッコ人の先生には、「トイレットペーパーを使ってもいいよ」と言われたので、
同じ国に住んでいても、人によって厳しさが違うのだと学びました。

今回の事で、宗教・文化の違いを目の当たりにしました。

カルチャーショックではありますが、これも勉強。
もっとイスラム教の事をしっかりと学ばなければならないと痛感した日です。

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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