Hola! メキシコ就労・スペイン院留学を経て、現在モロッコで生活中の流です。
前回の記事では、フェズ探索中にツッコミどころ満載のモロッコ人との出会いを紹介しました。
今日はその続きの様子をお話します。
フェズ最大のタンネリ
モロッコ人は色んな所に寄り道した後、町で最大のタンネリが上から見られる場所に案内してくれた。
そこではミントが渡された。タンネリの臭いがきついので、ミントを嗅ぐことで臭いをごまかすという目的の為らしい。
確かにミントを嗅ぐと、少しすっきりする。
階段を4階くらいあがって、タンネリを一望できる場所に到着。
さっき案内された家族規模のタンネリとは比べ物にならない大きな染め場が、そこにはあった。
男性陣が、皮を運んだり、皮を色水につけて染めたり、それぞれの作業をしている。
一人一人の行動の様子に見入ってしまった。
よく写真で見る、絵の具のパレットのような色鮮やかな状態ではなかった。
それでも、現地の人たちが一人ひとり作業している様子が、凄く興味を引いた。
思いがけないハプニング
もっとよく見ようと、奥に行こうとした。段差があったので、近くの手すりに触れた。
その瞬間。
「チクッ」
嫌な感覚が、体に走った。
「何が起こった?!」と思った瞬間に見えたのは、黒と黄色のシマシマ模様。
…! ハチだ!!
私がふれた手すりに、ピンポイントでハチがいて、何も気づかずハチを押した私は、見事に手を刺されていた。
悲報: モロッコ到着翌日、ハチに刺される。
「嘘だろ…」
痛い。自分の中で血の気が引くのが分かる。
「ハチに刺された!」と言うと、
モロッコ人は私の手をとり、何の躊躇もなく、そこに口をつけた。
ハチの毒を吸いだした後、刺された箇所にミントの葉っぱを塗った。
「これで、大丈夫!」
と自信満々の笑顔を見せるモロッコ人。
このミント、効くの?!
なんせハチに刺される事が初めてだったので、気が動揺していた。何が正解か分からなかったし、とにかく怖い。
モロッコ人は、テラスを離れて階段を降りる時に、それぞれの階にある革製品売り場を紹介してくれた。
ここでの皮染め工程を経て作られた、革製品の数々。カバン、ベルト、スリッパ…と色んな種類の革製品がお店を埋め尽くす。
こんなにカラフルな革製品を見ても、ハチに刺された心配の方が大きくて、素直に楽しめない。
タンネリ見学後
さっきまで楽しくタンネリを見ていたが、すっかり元気をなくしてしまった私。
タンネリ見学の後、モロッコ人は「カフェに行こう」と言ってきたが、そんな気力すらなくなってしまった。
テラスを降りて、次の場所に行こうと言った彼に
「ごめん、自分は調子悪いから行けない」と伝えると、
「じゃあ、お金をちょうだい。君はハッピー?」と言われた。
(ああ、出た…。このパターンか…。)
道中、「どうしてお金を求めないで、こんなに親切に案内してくれるの?」と聞いた時に
「僕は人がハッピーだと嬉しいから!」
と返ってきた言葉は、幻だったろのだろうか…。
「あなたがお金を求めるのなら、私はハッピーじゃない」と言うと、
「そうか、分かった! じゃぁ、またね!」と、かなりあっさりと引き下がった。
そうして、モロッコ人は来た道を戻っていった…。
私はあまりにもあっさりと去っていた彼に驚きながらも、
ハチに刺された事で、またすぐ頭がいっぱいになった。
冷静になるため、近くのカフェに入り、ジュースを頼む。
気温36度の中、暑さと緊張でカラカラに乾いた喉に冷たいジュースを流し込み、
今度はインターネット検索。「ハチ 刺された後」
「ハチに刺された後、刺された箇所は腫れて痛みが発生する。吐き気や腹痛、息苦しさなどの症状が出る事もあるので様子見が必要」
という結果が出てきて、怖くなる。
一体全体、大丈夫なんだろうか…。
ひとまず観光は中断して、宿に戻って大人しくしよう。
頼む、どうか重症にならないでくれ…。
そう願いながら、宿に戻るのであった。
ー続くー
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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